カーリング娘とプロジェクト・アリストテレスについて思うこと

雑学・時事ネタ ビジネス

2018.04.13(Fri)

こんにちは、マークアップエンジニアの山中です。

平昌オリンピックが閉幕してひと月以上が経ちました。
日本は今大会、冬期オリンピック史上最多13個のメダルを獲得し、
ウインタースポーツに興味の薄い私のような人にとっても
予想以上に盛り上がった大会になったように思います。

その中で今回私が、というかほとんどの視聴者が興味を惹かれた種目が、
カー娘」「カーリング娘」「そだねージャパン」ことカーリング女子だったのではないでしょうか。

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彼女たちが所属するチーム、ロコ・ソラーレ(LS北見)の創設者である本橋麻里さんが掲げるスローガン「キープスマイル、ステイポジティブ」を実践し、とにかく明るくポジティブな振る舞い、全員の地元北海道訛りの親密なコミュニケーションからにじみ出る安心感と一体感。

このチームの、居心地のよさそうないい雰囲気は一体なんなんだろう?
とか思いながらなんとなく見ていると、いくつものスーパーショットを連発し見事なチームワークで
男女を通じて日本勢初のメダルを獲得してしまいました。

そんな彼女たちを感動しながら見ていて、私がふと思い出したのが、
米グーグルによる生産性向上計画「プロジェクト・アリストテレス」でした。

グーグルのこのプロジェクトによって導き出された「成功するチームの特徴」の多くが、
カーリング娘に当てはまるような気がしたのです。

プロジェクト・アリストテレスとは?

What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team

出典元:What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team

プロジェクト・アリストテレスとは、米グーグルが2016年に発表した、生産性の高いチームの特徴を分析するプロジェクトのことです。

グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ

グーグルは、何百万ドルもの資金と約4年の歳月を費やして実施したこのプロジェクトによって、成功するチームが持つ5つの特性を突き止めました。重要度が高い順に以下に示します。

1. 心理的安全性

チーム内の対人関係において、誰もが安心してリスクを冒すことができる。自分の間違いを認めたり、何かを質問したり、新しいアイデアを提示したりすることに対して誰も責めたり、罰を与えたりすることはないと確信している。

2. 信頼性

質の高い作業を時間通りに責任を持って確実に完了する。

3. 体制と明確さ

具体的、挑戦的で達成可能な個人またはグループの仕事の明確な目標を持ち、その目標を達成するプロセス、自分のパフォーマンスの結果を理解している。

4. 意味・意義

仕事の目的として、金銭のため、家族のため、チームの成功のため、自己表現などさまざまな個人的な意義を持っている。

5. 影響

自分の仕事が重要であり、変化を生み出すと考えている。

これらの特性の中で最も重要だとされるものが「心理的安全性」なのですが、
具体的にはどういうことかというと

誰もが安心して発言できる

メンバー全員が均等に発言する

チームの中で本来の自分をさらけ出せる

他のメンバーへの心遣いや同情、配慮や共感力が高い

というようなチームが成功しているということだそうです。
テレビを通して雰囲気を見ただけでも、すべてカーリング娘に当てはまっているような気がしませんか?

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カーリング娘は全員が北海道北見市出身で年齢も近く、吉田知那美選手と吉田夕梨花選手は姉妹です。本橋麻里選手は主将として献身的にメンバーを支え、まとまりのあるチームを作り上げました。ほとんど毎日メンバーでいっしょにいるので、司令塔の藤沢五月選手はチームのことを「家族」みたいと言っています。

そのようなチームだからこそ信頼感、安心感や一体感という「心理的安全性」が生まれ、効果的なコミュニケーションが可能となり、カーリングでの高いレベルの戦術やチームワークやモチベーションのアップにつながり、成果が生まれたということではないでしょうか。

カーリング娘の会話術がこんなにも深い理由 カワイイ「そだねー」だけじゃない信頼と結果

心理的安全性が成果を出した(と個人的に思いつく)他のグループは?

では他にもそのようなチームやグループはあるのでしょうか?

2011年女子ワールドカップ日本女子代表(なでしこジャパン)

選手から親しみを込めて「ノリさん」と呼ばれる佐々木則夫監督を中心に、平均身長163cmほどのなでしこジャパンが、圧巻の集中力とチームワークで平均身長170cm以上のアメリカに勝って初優勝しました。
激闘を戦い抜くなでしこ達の笑顔と、表彰式や試合後のインタビューでのチームの一体感や仲の良さがとても印象的でした。

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2009年ワールド・ベースボール・クラシック日本代表

この大会で見事2連覇に輝いた侍ジャパンですが、チームリーダーのイチロー選手は深刻な不振にあえいでいました。そんなイチロー選手を見た若手を中心とするメンバーが、イチロー選手と同じようにストッキングを上げるスタイル「オールドスタイル」にして試合に望んだことは有名です。大会後のインタビューでイチロー選手は、「自分はリーダーのような存在だと言われたが、このチームにリーダーは必要なかった」と言っています。

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アイドルグループ

アイドルグループには不仲説もよく聞かれますが、トップ中のトップアイドル「嵐」の仲の良さは芸能界でもファンの間でも有名ですよね。お互いを認め合い許し合える関係だからこそ、個人個人の個性が際立つ人気グループになっているのかもしれません。

お笑いコンビ

お笑いコンビで幼なじみや学生時代からの友達のコンビって多いですよね。
ダウンタウン、とんねるず、さまぁ~ず、くりぃむしちゅー、よゐこ、ますだおかだ、博多華丸・大吉、チュートリアル、タカアンドトシ、千鳥、サンドウィッチマン、オードリー、NONSTYLE … あと千原兄弟や中川家、ミキなど兄弟コンビが多いのもお笑いコンビの特徴ですね。 おそらく最も息がピッタリじゃないと務まらない仕事なのでは…。

ロックバンド

こちらも幼なじみ、同級生、同郷出身のメンバーで組まれたバンドを挙げてみますと…。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、U2、ニルヴァーナ、レディオヘッド、オアシス、ブラー、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ…
日本でも相当たくさんいますが大御所で言うとXJAPAN、サザンオールスターズ、Mr.Childrenもそうですね。

少々私見が入ってしまいましたが、グループ内でお互いをよく分かり合えていること(心理的安全性)と成功は、どうやら無関係ではなさそうですね。

まとめ

カーリングの日本代表は、サッカーや野球のように選抜選手の集まりではありません。国内で勝ち抜いた地域のクラブチームや実業団などの単独チームが日本代表として五輪に出場します。なぜならカーリングというスポーツはコミュニケーションとチームワークが最も重要なので、優秀な選手を一時的に寄せ集めても結果が出にくいからだそうです。

グーグルのプロジェクト・アリストテレスにおいても、チームとして結果を出すためには優秀な人ばかりを集めただけのチームよりも、集団的知性(チーム力・組織力)を高める方が効果的に生産性を高められるということが明らかになっています。

あなたが所属するチームは、
メンバー全員が均等に発言していますか?
発言することによって馬鹿にされたり叱られるといった不安はありませんか?
他者への理解や共感、心遣いや配慮はチーム内に充分にありますか?
仕事用の顔を持つのではなく、リラックスした本来の自分で仕事をしていますか?