アップルの新しいサービス「iBeacon」っていったい何?

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こんにちは、システム部の平井です。WAN55システム部では主にWebシステムやモバイルアプリの開発を行っています。日々アプリの情報に触れていると「iBeacon」という言葉をよく目にします。実は登場から時間も経ち、O2O・行動データの取得・分析といった、マーケティングに活用できるアプリとしてサービス化が進んでいます。

システム部でも1月5日(月)から人の行動ログを「見える化」出来るiBeaconソリューション、『ワンビーコン』カンタンお試しセットを198,000円で提供開始しました。

ワンビーコン


当社サービスでも取り扱っている今話題のiBeaconとは、一体どのようなものなのかを今回説明していきたいと思います。

そもそもiBeaconってなに?

iBeaconとは、iPhoneのiOS7から利用できるBluetooth Low Energy(BLE)を使った新技術です。BLEを使うことで消費電力を低く抑えて通信が可能になり、ボタン電池一つで3か月~約1年利用できるといわれています。BLEの電波をiOS7以上のOSを搭載したiPhoneが認識し、専用のアプリでコンテンツを表示させることができます。またAndroidOS 4.3からでもBLEに対応した同等のサービスを提供できるそうです。

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iBeaconの特徴

受信する電波強度によってアプリで表示する内容を変更できる。
iBeaconでは一つのBLEの電波で3つまでアプリの挙動を変えることができます。BLEの電波強度を発信する基盤からのおおよその距離に直してご説明します。

  • 5~10cmの近接
  • 1m未満の範囲
  • 1m~約10mの間の距離

上記3つのエリアに入れば、違うコンテンツを3つ表示することができます。
例えば、

  • お店の入り口では「いらっしゃいませ」の挨拶文が通知されます。
  • 店内の商品コーナーに近づくと「こちらは○○コーナーになります」という説明が表示されます。
  • さらに商品自体に近づけるとその商品のクーポン券が発行されます。

このような仕掛けが可能なので、来店客を回遊させる導線として活用することもできます。

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BLEの電波にコンテンツが載っているわけではない。

基盤から発信されるBLEの電波は決められたIDの情報しか載せておらず、表示するコンテンツ自体はもともとアプリ内(もしくはサーバ)に仕込んでおきます。基盤ごとに発信する「0」や「1」といった別々のIDが載った電波をアプリ側が制御し、コンテンツを表示します。
例えば、「「0」の電波を受け取った時はこのクーポンを出そう。「1」の時はこの映像を出そう。」というような判断をアプリはしています。
つまり、BLEの電波はきっかけを生み出すいわばトリガーでしかないので、アプリが不可欠なのです。

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iBeaconの厄介な点

iBeaconを利用する条件

iBeaconを体感できるまでにはユーザーに準備してもらうことがいくつかあります。

  • iPhone端末は4S以上(iPhone4以下はBLEを検知できない)
  • iOS7以上(AndroidOS 4.3以上)
  • アプリを端末にインストールする。
  • 端末側がBluetoothをON(実はiOSをアップデートするたびにこっそりBluetooth機能はONにされている)
  • 位置情報をON
  • アプリのバックグラウンド更新をON

ユーザーにiBeaconを利用してもらうまでのハードルが少なくともこれだけあります。

Bluetoothの規格

BLEは2.4GHzという電波帯を使用していますが、これは電子レンジやWi-Fiと同じ電波帯(Wi-Fiは5GHz帯も普及しています。)だそうで、これらの電波と干渉する恐れがあります。
また、電子レンジと同じ電波帯を使っているのでほぼ水分でできている人体をBLE電波は透過しません。人が密集している空間ではビーコンの電波をなかなか取得できないということが起こり得ます。例えばイベント会場など人がたくさん集まるところで活用したい場合は運営や設置箇所を工夫して課題を一つ一つクリアしていく必要がありそうです。

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iBeaconの利点

手軽さ

Wi-Fiはプロバイダーの契約やネット環境の構築が必要です。しかし、iBeaconを利用する際に必要なBLEを発信する基盤は、電力供給が主に電池なのでワイヤレスで済みます。また手のひらに乗るほどの小型サイズなので、机の裏、天井、柱など好きな場所にぽんっと設置するだけで完了です。GPSが届かない屋内に設置することで位置情報を取得することが期待されています。

価格

BLEを発信する基盤は1つあたり300円~4,000円とかなりリーズナブルです。どちらかというとアプリ開発のほうが費用が掛かります。エンドユーザーからすれば普通のアプリとなんら価格は変わらないのであまり関係ない話だとは思いますが・・・。

近距離無線でプッシュ通知

おサイフケータイなどで活用されているNFCは「タッチ」というユーザーの能動的な動作が必要です。一方、iBeaconはユーザーが電波供給エリアに入りさえすれば自動的にプッシュ通知を送信できます。効果を発揮する範囲が近距離なので「そこに行かなければ手に入らないコンテンツ」を提供でき、送客にも役立ちます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ネットに上がっているiBeaconの記事はアプリの期待や可能性などポジティブなことを記載しているものがほとんどだったので今回はユーザーに課すハードルや懸念点も書いてみました。まだまだiBeaconについて長所も短所も語りつくせぬ部分ありますが、それはまたこのような機会が与えられた時に書きたいと思います。
アップルがiPhoneを世に出してからさまざまなアプリが続々と登場しています。iBeaconという新しいサービスがアプリの多様性をより一層引き出すアイテムの一つになることは間違いないでしょう。今後驚くべき使い方が登場することを期待して今回は終わりたいと思います。

行動を見える化するログ取得アプリ WAN Beacon(ワンビーコン)

WAN BeaconはiBeacon電波から顧客行動を取得、活用することで適切なタイミングでお客様へアプローチできる営業支援O2Oソリューションです。

WAN55では1月5日(月)から人の行動ログを「見える化」出来るiBeaconソリューション、『ワンビーコン』カンタンお試しセットを198,000円で提供開始しました。興味のある方は特設サイトをご覧ください。