オムニチャネルって何?買い物の方法の変化に対する動きについて

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こんにちは!入社してから半年がたちました!新人の横山です。
だんだんと本格的に冷え込み始め、街角でコート姿の人を見かけるようになりました。私も新しいコートがほしいところですが、夏服に比べ冬服は良いお値段なのでお店の店員さんやECサイトに向かって唸ることも多く、悩ましくも楽しい時期です。
今回はそんな買い物における、「購買まで」に関するアプローチが変わってきましたよ!との「オムニチャネル」に関するコラムをお届けします。

オムニチャネルってなんでしょう。

英語で書くと "Omni-channel"です。
"Omni"は「オムニバス」のオムニと同じ、英語で「全て(総て)」といった意味のある言葉、 "channel"はテレビの「チャンネル」と同じ、経路、ルート、分野等を表す言葉です。 すなわち「総ての経路」といった意味のある言葉になります。

さて、それを踏まえて。「IT用語辞典 BINARY」には以下のように書いてあります。

オムニチャネルとは、実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合すること、および、そうした統合販売チャネルの構築によってどのような販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境を実現することである。

オムニチャネルの説明には、以下の様な図がよく使われます。
このことについて、ひとつずつご紹介していきたいと思います。

オムニチャネル図

1.買い物方法の多様化→統合

皆さんもご承知かと思いますが、昨今、買い物の仕方が変わってきています。冬物のコートを一枚買うぞ~!と思った時、まずどのような行動を取られるでしょうか。
お店に行く?ZOZOTOWNで検索?ファッション誌を読む?友達と被らないようにfacebookをチェック?その他諸々、様々な方法がありますね。

次に、「買い方」にも色々な方法があります。
お店で見つけて試着させてもらって買う?インターネットで気に入ったものをポチっちゃう?それとも、やっぱり一度着るためにお店に行ってみる?そこでサイズが無かったから帰りにスマホで買う?最初の「接点」が増え、また「買い方」もおなじく増えているので、一人ひとり、品物一点一点、購入までのプロセスが多様化しました。

買い物方法の多様化→統合

これらの増えに増えた方法(チャネル)を、すべて(オムニ)連結させて、顧客にアプローチすること、それがオムニチャネルです。

2.具体的には?

海外では米国百貨店のメイシーズ、日本国内ではセブン&アイ・ホールディングスが先行してオムニチャネルに取り組んでいます。
今回は、セブン&アイ・ホールディングスが"モノ・コト・ネットの融合"を掲げオープンした「イオン幕張店」の例をご紹介します。

イオン幕張店は2013年12月にオープンし、各種売り場にデジタルサービスを導入、そのための独自アプリ「イオンお買い物アプリ」もリリースしました。
http://www.aeonretail.jp/otoku/aeon_app/ 同店では、アプリを使用したサービスや、店内でのタブレット端末の貸出による導線作りなど、様々な工夫が為されています。その中でいくつかのサービスをご紹介します。

イオン幕張店で実施されているサービス

1.撮って!インフォ

売り場に表示された専用POPにカメラをかざすと、その商品を使ったレシピや、お得な情報ページにアクセス。その商品を買うことで何が出来るか?の判断に役立ちます。

2.タッチ・ゲット

店頭のタブレット端末を使用し、店頭にない商品をその場で検索・注文できるサービス。受け取りは店頭か自宅かを選択出来ます。スタッフの接客を受けながら多様な商品を検討出来、こだわり商品の販売機会の増加につながります。

以上のように、オムニチャネル化のポイントは、自社のオンラインショップと実店舗との「シームレスな購買」にあります。ECサイト/店舗における包括的な在庫の参照、商品の取り置き、お届けなど、すべての接点をつなぐことで、より便利で素早い購買が可能になりました。 オムニチャネル化が進むことで、顧客がそのブランドに他するロイヤルカスタマーが増加し、また在庫圧縮・売り場の効率化が進み、会社の業績にもつながります。

今回上げたイオンは「百貨店」的側面を持つ例でしたが、多様な業種でオムニチャネル化が進んでいます。

MARUZEN&JUNKUDO ネットストア
http://www.junkudo.co.jp/

ブックファースト&e-hon
http://www.book1st.net/e-hon/

ファッション

WEAR(アプリ/ サイト)
http://wear.jp/

3.オムニチャネル化は「されるもの」ではなく「するもの」

しかし、オムニチャネル化には、時間と費用双方の膨大な投資が必要です。
実店舗の店員、スタッフ皆がオムニチャネル化の利点・ゴールを理解しなければ、多くの混乱が巻き起こることになります。
なぜならば、実店舗の店員には「その店舗で」商品を売って売上を獲得しなければならず、またECサイトのスタッフには「ECサイトで」商品を売らないといけない、という意識があるからです。長期的に見て、実店舗、ECサイト、その他のチャネル総てについてプラスになる!という意識を、ブランドに関わるすべてのスタッフ(実作業スタッフ-それを評価する権限者、それらの方策を考えるスタッフまで)が理解する必要があります。
そのためにはどのようなことが必要なのでしょう?それは、顧客・ターゲット層を明確に理解することだと言われています。そのことで、チャネルの利点や利便性に関して適切なアプローチができるようになります。

オムニチャネル化のためには、それぞれのチャネルに関わる人々の意識・自覚、そして実際にすべてのチャネルが繋がるしっかりとしたシステム構築が必要なのです。

時代の変化に合わせて、便利になっているのだな、と思ってしまいがちなオムニチャネル化ですが、実は大きな企業努力のもとの、自発的な変化なのです。そういったことを自覚しつつ、ありがたく使わせていただきたいと思います。とりあえず私は冬用のコートを買うため、パソコンを開くところからはじめます。